バンコクで理想の賃貸物件を探す際、立地や間取り、築年数など様々な要素を検討しますが、意外と見落としがちなのが「階数」です。同じ建物内でも階数が異なるだけで、住み心地や家賃、さらにはセキュリティ面まで大きく変わってきます。今回は、バンコクでの部屋選びにおける階数のメリット・デメリットを詳しく解説し、あなたのライフスタイルに合った最適な階数を見つけるためのヒントをご紹介します。
高層階の魅力と注意点
高層階は、その開放感と眺望の良さから人気を集めることが多いです。
- 採光と風通し: 同じ立地、同じ向きの物件でも、高層階は低層階に比べて日当たりが良く、風通しにも恵まれます。隣に高層ビルが建っていない限り、遮るもののない景色を独り占めでき、プライバシーも確保しやすいでしょう。
- 騒音と視線: 道路に面した物件の場合、高層階は地上の喧騒から離れるため、騒音が気になりにくいというメリットもあります。また、人通りが多いエリアでも、高層階であれば外部からの視線も気になりません。
しかし、高層階にも注意すべき点があります。
- 携帯電話の電波: バンコクの高層物件では、残念ながら携帯電話の電波が弱くなる傾向にあります。特に高層階になるほどその傾向は顕著で、通話が途切れたり、データ通信が遅くなったりする可能性があります。契約している通信会社や物件によって状況は異なりますが、入居前に電波状況を確認することをおすすめします。
- 屋上設備の音: 屋上にプールやフィットネスルームなどの共用施設がある場合、そのすぐ下の階では、プールの水音やフィットネス機器の足音などが響くことがあります。内見の際には、共用施設の配置も確認しておきましょう。
- エレベーターの利用: 高層階に住む場合、エレベーターの利用は避けられません。朝の通勤・通学時間帯や帰宅ラッシュ時には、エレベーターが混雑し、待ち時間が長くなることもあります。
低層階の利便性と懸念点
低層階は、家賃が抑えられる傾向にありますが、いくつかの懸念点も考慮する必要があります。
- セキュリティ: バンコクの外国人向けアパートやコンドミニアムでは、外部からの侵入者による盗難は比較的稀ですが、過去には隣接する建物の屋根伝いに侵入されたケースも報告されています。特に2階は、そうしたリスクを考慮すると避けるのが無難かもしれません。
- 蚊の多さ: 低層階では蚊が多い傾向にあります。バンコクではデング熱をはじめとする蚊媒介性の感染症のリスクがあるため、小さなお子様がいらっしゃるご家庭や、蚊に刺されやすい体質の方は特に注意が必要です。中層階にプールや庭がある場合、そのすぐ上の階も蚊が多くなる傾向があるので、内見時には周辺環境もよく確認しましょう。
- 地上からの騒音: 道路や店舗に面している場合、地上の交通音や人々の話し声、店舗の BGM などが直接聞こえてくることがあります。静かな環境を重視する方は、物件の立地と低層階の部屋の音の響き方をよく確認しましょう。
- 非常時の安全性: 「いざという時に階段が使える」という安心感から、低層階を好む方もいらっしゃいます。エレベーターが使えない状況(停電や火災など)でも、すぐに外に避難できるのは大きなメリットです。
最上階・最下階の特殊な条件
物件の最上階や最下階には、それぞれ特有のメリットとデメリットがあります。
- 低層物件の最上階: 日当たりは良いものの、屋上が直接日差しを受けるため、部屋の温度が非常に高くなることがあります。断熱材の性能によっては、冷房の効きが悪く、電気代が高くつく可能性も考慮に入れておきましょう。
- ワンオーナーアパートの最下階: 同じ広さや間取りでも、最上階と最下階では家賃が1万バーツ以上異なることも珍しくありません。予算を抑えたい場合には、低層階や最下階を検討する価値は十分にあります。
家賃と階数の関係
バンコクの賃貸物件では、一般的に高層階ほど家賃が高くなる傾向にあります。
- ワンオーナーアパート: 広さや間取りが同じでも、最上階と最下階では家賃が大きく異なることがよくあります。
- コンドミニアム(分譲マンションタイプ): コンドミニアムでも、階数による家賃差は5,000バーツ程度が一般的です。
希望の物件に空きが出ても、高層階であれば予算オーバーになることもありますし、逆に諦めていた物件でも、低層階に空きが出れば家賃交渉がしやすくなり、手の届く範囲になることもあります。柔軟な視点を持つことが、理想の物件を見つける鍵となるでしょう。
最適な階数を選ぶためのポイント
最終的にどの階数を選ぶべきかは、個人のライフスタイルや優先順位によって異なりますが、一般的な目安としては以下のようになります。
- 低層階タイプ(7〜10階建て程度)の物件: 6〜7階程度が理想的でしょう。高すぎず低すぎず、採光や風通しも確保しつつ、非常時の利便性も兼ね備えています。
- 高層階タイプ(20階建て以上)の物件: 15〜16階程度がベストと言えるのではないでしょうか。高層階の開放感を味わいつつも、携帯電話の電波状況など極端なデメリットを避けられる可能性が高まります。
もちろん、これはあくまで一般的な目安であり、物件の立地や構造、周辺環境によって最適な階数は変動します。内見の際には、時間帯を変えて訪れてみたり、窓からの眺めだけでなく、共用部の配置や騒音、そして携帯電話の電波状況など、様々な角度から確認することが重要です。
あなたのバンコクでの新生活が、快適で素晴らしいものになるよう、お部屋選びの参考にしていただければ幸いです。