バンコクでの単身赴任や留学など、一人暮らしの住まいを探す際に、まず考えるのが「どんな間取りで、どれくらいの広さが必要か」という点でしょう。今回は、バンコクの単身者向け賃貸物件の一般的な間取りと広さ、そして日本とは異なる物件事情について詳しく解説します。あなたのライフスタイルに合った快適な住まいを見つけるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
単身者向け物件の一般的な間取り
バンコクの単身者向け物件は、主に以下の2つのタイプに分けられます。
スタジオタイプ(Studio Type)
いわゆる日本のワンルームに相当します。リビングとベッドルームが壁などで仕切られておらず、一つの空間にまとまっているのが特徴です。
- メリット: 仕切りがないため、開放感があり、部屋全体が広く感じられます。窓が大きい物件も多く、明るい印象を受けるでしょう。家賃も比較的リーズナブルな傾向にあります。
- デメリット: 玄関を開けるとベッドが丸見えになってしまうことが多く、プライベート感が薄いと感じる方もいます。また、ソファなどでくつろぐ独立した空間が不足しているため、テレビもベッドの上で見る、といったホテル感覚の利用になりがちです。短期滞在であれば問題ありませんが、1年以上住むとなると、やはりリビングと寝室が分かれている部屋が良い、と考える方がほとんどです。
1ベッドルーム(1 Bedroom / 1LDK)
リビングと寝室が独立した間取りで、日本の1LDKに近いタイプです。単身者向けとしては最も人気が高い間取りと言えるでしょう。
- 広さの目安: 一般的には40平米から50平米の物件が多く見られます。
- 注意点: 「1ベッドルーム」と一言で言っても、その間取りは多岐にわたります。例えば、リビングルームに窓がなかったり、寝室は広いのにリビングダイニングが非常に狭かったりするなど、日本ではあまり見かけないようなユニークな間取りの部屋も存在します。内見の際は、各部屋の広さや窓の配置をしっかりと確認することが重要です。
バスルームのバリエーションと確認ポイント
1ベッドルームの場合、バスルームは基本的に1ヶ所ですが、その構造には様々なタイプがあります。
- バスタブとシャワーボックスが独立: 比較的広めのバスルームで、バスタブとシャワーを別々に利用できるため、快適性が高いです。
- バスタブ内でシャワーを使用: 日本の一般的なユニットバスに近いタイプで、バスタブの中でシャワーを浴びます。スペースを有効活用できますが、洗い場が狭く感じることもあります。
- シャワーボックスのみ: バスタブがなく、シャワーブースのみのタイプです。手軽に利用できますが、湯船に浸かりたい方には不向きです。
また、バスタブの大きさも物件によって様々です。無理やり詰め込んだような窮屈なバスタブから、ゆったりと浸かれるもの、さらにはジャグジー付きのものまであります。インターネットの情報だけでは細かな仕様までは分からないため、不動産エージェントに案内を申し込む際に、あなたのライフスタイルやお好みのバスルームのタイプ(例:バスタブは必須か、広さはどれくらいか、シャワーボックスは欲しいかなど)を具体的に伝えておくと、効率的な物件探しができます。
収納と家具の工夫:日本との違い
バンコクの賃貸物件で、日本と大きく異なる点の一つが収納スペースです。
- 収納の少なさ: 日本のような細部にまで気の利いた収納、例えば洗面台の下の吊り戸棚や、デッドスペースを活用した収納は、バンコクではほとんど見かけません。
- バスルームの収納: トイレがバスルームと一体になっていることが多く、洗面台の下に掃除用具や石鹸のストックは入れられても、タオルやトイレットペーパーなどを収納するスペースがない場合がほとんどです。これらは結局、クローゼットにしまうことになりますが、クローゼット一棹では当然足りないケースが多いでしょう。
- 家具配置の課題: 物件によっては、建物の構造上、部屋の角がカーブしていたり、作り付けの収納が開き扉だったり、窓が多くて壁が少ないために、本棚などの収納家具を置くスペースが限られることもあります。
- 下駄箱: 日本では当たり前のように備え付けられている下駄箱も、バンコクの物件には付いていないことが多いです。しかし、ほとんどの物件では、入居前にリクエストすれば設置してもらうことが可能です。その際は、設置場所、大きさ、扉の有無、好みの色などを具体的に伝えることが重要です。曖昧な指示をしてしまうと、せっかく設置してもらっても、収納量が少なかったり、使い勝手が悪かったりして、がっかりさせられるケースも少なくありません。
荷物が多い方や来客が多い方へ:2ベッドルームという選択肢
もしあなたが荷物が多い方や、日本からご家族が年に何度か遊びに来る予定があるなら、70平米から80平米程度の2ベッドルーム(1BR + 書斎タイプを含む)を検討することをおすすめします
- 収納力の向上: 2ベッドルームであれば、当然ながら収納スペースも大幅に増えます。
- バスルームの複数設置: 多くの2ベッドルームでは、2つのバスルームが備わっています(例えば、1つはバスタブ付き、もう1つはシャワーのみなど)。これにより、ご家族が滞在中もトイレやお風呂を同時に使えるため、ストレスなく快適に過ごすことができます。来客が多い方にとっては、プライバシーの確保という点でも大きなメリットとなるでしょう。
単身赴任であっても、これらの点を考慮することで、より快適で満足度の高いバンコクでの生活を送ることができるはずです。物件見学の際には、これらのポイントを頭に入れて、じっくりと吟味してくださいね。