近年、バンコクでは「One Bangkok(ワン・バンコク)」などの大規模開発や超高層コンドミニアムの竣工が相次ぎ、お部屋探しにおいても「新築・築浅」を希望されるお客様が非常に多くなっています。
しかし、2025年現在の市場状況を見ると、単に「新しければ良い」というわけではなく、あえてリノベーションされた築古物件を選ぶ賢い選択も増えています。
今回は、タイにおける新築と築古、それぞれのメリット・デメリットを整理しました。

1. 新築物件(築3年以内):モダンな魅力と潜むリスク

新築物件の最大の魅力は、最新のテクノロジーとラグジュアリーな共有設備です。

【長所:最近のトレンド】

  • 圧巻のファシリティ
    最近の新築物件(特にトンローやプロンポンエリア)では、プールやジムだけでなく、温泉、サウナ、シミュレーションゴルフ、さらにはコワーキングスペースまで完備されているのが当たり前になっています。
  • 最新の住宅設備
    オープンキッチンはもちろん、ウォシュレット標準装備や、全面ガラス張りの眺望など、視覚的な満足度が非常に高いです。
  • 駅近・好立地
    開発が進むエリアの駅近に建てられることが多いため、利便性は抜群です。

【短所:知っておくべき現実】

  • 収納不足と生活制限
    土地価格の高騰により、お部屋は年々コンパクトになっています。収納が少ないため、ご家族連れには工夫が必要です。また、高級コンドミニアムほど「ベランダに洗濯物を干してはいけない」といった厳しい規約があることも。
  • 「初期不良」の多さ
    2025年現在、タイの新築物件では「住んでみて初めて分かる不具合」が頻発します。エアコンのガス漏れ、水回りの詰まり、スマートホームシステムの誤作動など、入居直後は修理対応に追われる覚悟が必要です。
  • シビアな原状回復費用
    綺麗な分、退去時のチェックは非常に厳格です。特に小さなお子様やペットがいる場合、壁の汚れやフローリングの傷で高額なデポジット差し引きが発生するリスクがあります。

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2. 築古物件(築10年以上):ゆとりと安心の「リノベ」物件

一方、築10年を超える物件は、その「広さ」と「熟成されたサービス」で再評価されています。

【長所:家族連れに選ばれる理由】

  • 圧倒的な専有面積
    新築の2ベッドルームの広さで、築古なら3ベッドルームが借りられるほどの差があります。お子様が室内を走り回れる広さは、築古ならではです。
  • リノベーション物件の台頭
    最近のトレンドとして「外観は古いが、内装は新築同様」にフルリノベーションされたアパートが増えています。キッチンやバスルームが最新式にアップデートされ、家具も新品に入れ替えられている物件は、非常に狙い目です。
  • ベテランスタッフによる安心感
    長年勤めているマネージャーやエンジニアは、建物のクセを熟知しています。修理依頼へのレスポンスも早く、家族のような安心感があります。

【短所:我慢が必要なポイント】

  • 構造の古さ
    天井が低めであったり、キッチンが独立型で暗かったりする場合があります。
  • シャワーブースの有無
    バスタブのみで、洗い場や独立したシャワーブースがない物件が多いのも築古の特徴です。

3. タイの「築年数」は数字通りではない?

2025年現在のバンコク市場において、築年数の数字だけで物件を判断するのは危険です。

  • 「劣化の早さ」と「手入れの差」
    タイは気候が過酷なため、管理の悪い物件は築3年でもボロボロに見える一方、管理の良い老舗アパートは築20年でもピカピカです。
  • 写真マジックに注意
    仲介サイトの写真は「竣工当時」のものが使われ続けていることがよくあります。特にお部屋ごとにオーナーが異なるコンドミニアムでは、実際に見ると写真と全く違うことが多々あります。

まとめ

  • ご単身の方
    職住近接と最新設備を重視し、多少狭くても「駅近の新築コンドミニアム」で都会的な生活を楽しむのがおすすめ。
  • ご家族連れの方
    広さと精神的なゆとりを優先し、「リノベーション済みの築古アパート」を狙うのが、退去時のトラブルも少なく、コスパも最高です。

まさに「百聞は一見にしかず」。新築のキラキラ感と、築古のどっしりとした安心感、ぜひ両方を内見してその違いを肌で感じてみてください。