前回の記事では、バンコクのホテルタイプサービスアパートが持つ素晴らしい魅力についてご紹介しました。しかし、どんなに魅力的な物件でも、借りる前には問題点や注意点を十分に理解しておくことが重要です。今回は、ホテルタイプのサービスアパートならではのリスクと、知っておくべきポイントを詳しく解説します。

ホテルタイプサービスアパートの4つの注意点

  1. 家賃が高い
    ホテルタイプのサービスアパートは、その利便性と充実したサービスと引き換えに、家賃が割高になる傾向があります。立地の良さ、豪華な共用設備、そしてメイドサービスが付いていることを考えると当然のことです。アパートやコンドミニアムと比較すると、同じ広さでも家賃が1.5倍から2倍近くになることも珍しくありません。予算が限られている場合は、家賃に含まれるサービス内容(電気代の有無など)をしっかりと確認し、総合的なコストを比較検討する必要があります。。
  2. 洗濯は自己管理!サービス範囲に注意
    「メイドサービスが付いているから、お洗濯もしてもらえるのでは?」と思われがちですが、ホテルタイプのサービスアパートのメイドサービスは、基本的にベッドメイキング、部屋の掃除、食器洗い、ゴミ捨てまでが標準です。個人の衣類のお洗濯やアイロンがけはサービスに含まれません。
    長期契約用のお部屋には、ほとんどの場合、洗濯機が備え付けられていますが、ご自身で洗濯をするのが面倒に感じる方もいるでしょう。その場合は、毎月30枚や100枚といった枚数で提供されるランドリーサービスパッケージを、家賃に組み入れておくのが便利です。ただし、このサービスも万能ではありません。毎回ランドリーカードに記入してサインをしたり、返ってきた洗濯物を袋から出してクローゼットにしまう手間がかかるため、意外と面倒だと感じる方も多いようです。
  3. 「ホテルはホテル」、プライベート感の確保が難しい
    ホテルタイプの場合、ほとんどの物件では長期滞在者と短期滞在者が同じフロアに宿泊することになります。隣の部屋には、短期出張の方や観光客が泊まる可能性があり、時間帯によっては騒音などの問題が発生するリスクがあります。
    もし騒音が気になる場合、契約期間中でも別の部屋への移動は可能ですが、移動した部屋でも同様の問題が起こらないとは限りません。
    また、ホテルの構造上、ベランダがない、または窓が完全に開けられない部屋もあります。新鮮な空気を取り入れたい方や、洗濯物を外に干したい方には不向きでしょう。
    さらに、24時間フロントが対応しているのは便利ですが、ロビーを通るたびにスタッフに挨拶されたり、世間話をしたりするのを窮屈に感じる方もいるかもしれません。大規模な物件では、チェックイン/アウトの時間帯にフロントが混雑したり、エレベーターが各階に止まったりすることも多く、ストレスに感じる場面もあるかもしれません。
  4. 更新時の大幅な値上げに注意
    オープン直後やオフシーズンなど、プロモーション価格で契約した場合、1年契約が満了し、更新する際に家賃が大幅に値上げされる可能性があります。最初の契約時には、更新時の家賃がどうなるかについて、しっかりと確認しておくことが重要です。更新時には家主(サービスアパート側)が優位に立つことが多いため、仲介業者に早めに確認してもらい、交渉してもらうようにしましょう。

ホテルタイプサービスアパートはこんな方におすすめ

これらの注意点を踏まえると、ホテルタイプのサービスアパートは、以下のようなシチュエーションで利用するのが特におすすめです。

  • タイ赴任直後の「慣らし期間」: バンコクに到着したばかりで、まだ土地勘がない、生活の準備が整っていない時期に、ホテルタイプのサービスアパートを借りることで、すぐに安定した生活を始められます。
  • 駐在任期終盤の「単身期間」: 任期途中でご家族が先に帰国され、ご自身が一人で残る期間に、掃除や洗濯の手間を省きながら快適に過ごしたい場合に最適です。

ホテルタイプのサービスアパートは、その利便性と快適さから、特定の期間において非常に有効な選択肢となります。しかし、長期的な居住を考える場合は、アパートやコンドミニアムも含めて、様々な選択肢を比較検討することをおすすめします。