これからタイは本格的な雨季に入り、気温が落ち着く一方で、湿度と水たまりが増えることで、蚊が最も活発になる季節を迎えます。
タイは一年中蚊が出没しますが、この時期の対策は特に重要です。 2023年のバンコク市内でもデング熱が大流行したように、蚊を媒体とする病気は他にもあり、まだ解明されていないものもあるため、とにかく蚊に刺されないよう注意することが、快適かつ安全なバンコク生活を送る上で非常に重要となります。

今回は、屋外から屋内まで、あらゆる場面で役立つ蚊よけ対策と、アイテム情報をご紹介します。

1. 屋外での蚊よけ対策:服装と行動の工夫

蚊は、暗い場所や地面に近いところを好むという習性は、日本でもタイでも変わりません。屋外でお食事をなさる際やお子様が庭や公園で遊ぶ際には、以下の工夫をするだけで、刺される確率を大幅に下げることができます。

服装の選択

  • 肌が出ている部分は極力少なくするため、ジーンズなどの厚手のコットン素材を着用しましょう。
  • 蚊は黒や濃い色の服に集まりやすいと言われていますので、黒い服よりは白い服や明るい色を選ぶようにすると、それだけでも刺される確率は非常に低くなります。

虫除けスプレー・ローションの活用

  • 肌が出ているところには、虫除けスプレーやローションを使うのが最も有効です。ただし、これらの薬剤は強力なものが多いため、取り扱いには注意が必要です。
  • 塗布する時は手を使って塗った後は必ず手をよく洗い、目や口の周り、傷口などには付けないようにしましょう。

タイのスーパーやコンビニエンスストアでは、様々な種類の虫除けが販売されていますが、特に以下のタイプが人気です。

  • スプレータイプ
    ピンクのラベルなど、視覚的に分かりやすい色のシュッと吹きかけるタイプは、手軽で人気があります。
  • ローション・クリームタイプ
    日本未発売のニベアの蚊よけクリーム(例:ビオレガード モスブロックセラムなど)は、肌に優しく塗りやすいことから、日本人駐在員の間でも人気が高く、広く購入できます。

タイの蚊よけスプレー

2. 住居内への侵入を防ぐ対策:網戸と玄関周りの工夫

蚊は、窓の開け閉めや人の出入りする隙から室内に侵入してきます。

玄関・ベランダの物理的防御

  • 低層階(5階ぐらいまで)にお住まいの場合、蚊は特に活発です。アパートの規則で許されている範囲内で、玄関やベランダに蚊取り線香を焚いたり、吊り下げるタイプの虫よけを設置したりして、出入りや窓の開け閉めの際に入ってくるのを防ぎましょう。

網戸の設置

  • アパートの場合:
    日本人のご家族向けに建てられているワンオーナーのアパートタイプには、最初から網戸が付いていることが多いので安心です。
  • コンドミニアムの場合:
    分譲マンションタイプのコンドミニアムには、網戸が付いていないことがほとんどです。
  • 設置リクエスト:
    コンドミニアムでも、オーナーさんによってはリクエストすれば網戸を付けてくれることもありますので、まずは案内してもらった仲介業者に相談してみましょう。オーナーさんが費用を出してくれない場合でも、低層階にお住まいの場合は自己負担してでも取り付けておいた方が安心です。ただし、物件によっては自己負担でも不可の場合がありますので、必ず事前に仲介業者を通じてオーナーに確認を取ることが必要です。

3. 室内での対策:アイテムの賢い使い分け

お部屋の中でも油断は禁物です。

  • 火を使わないタイプの活用:
    室内では、コンセントに差し込む火を使わないタイプの虫除け(液体式、マット式)をメインで使いましょう。寝室やリビングなど、滞在時間の長い場所に設置します。
  • コンドミニアムの場合:
    突発的に蚊を見かけた場合には、スプレータイプの殺虫剤を時と場所で上手に使い分け、常に警戒を怠らないようにすることが大切です。

タイの殺虫剤スプレーと蚊取り線香

4. 万が一刺されてしまった場合の対処法

タイで蚊に刺された場合、病気のリスクだけでなく、アレルギー反応にも注意が必要です。

  • アレルギー反応:
    ご来タイ直後の方や、お肌の弱い方の場合、普通の蚊でもアレルギーを起こし、腫れや痛痒いといった症状が数日も続くことがあります。症状が長引くようでしたら、市販薬で対処せず、早めに皮膚科のある病院に行かれたほうが良いでしょう。
  • デング熱の疑い:
    刺された後に高熱が出たり、倦怠感や関節の痛みを伴うなど、デング熱が疑われる症状が出た場合には、すぐに病院へ行き、検査を受けることが何よりも大切です。早期の診断と治療が重要となります。

日々の徹底した予防と、適切な対処で、蚊の多い季節も安心してバンコク生活を送りましょう。

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